ジュニアシートに切り替えるタイミングは?
6歳未満の子どもは道路交通法によりチャイルドシートまたはジュニアシートの着用が義務付けられており、未着用は1点減点が課されます
では皆さんが出産時に購入したチャイルドシートは何歳まで使用できるかご存じですか?
使用できる期間が長いロングユースタイプを除き、一般的なチャイルドシートは4歳頃までしか使用できません
つまり、法律を遵守するためには多くの方が4歳頃までにジュニアシートへの切り替えが必要になります
ジュニアシートには大きく分けて3種類タイプがあり、それぞれ異なる特徴があります
正しいジュニアシートを使用しないと、事故の際に子どもさんが適切に保護されない可能性があるだけでなく、無駄にジュニアシートを追加購入することになるかもしれません
そこで、この記事ではベビー用品専門店で15年以上店長を歴任中の私、「しょぱ」がジュニアシートについて簡単に解説します
この記事を読めば、年齢に合ったジュニアシートがわかるので、皆さんのお子さんに合ったジュニアシートを選べるようになります
結論、ジュニアシートへの切り替えは1~3歳頃でチャイルドシートが窮屈になったタイミング、または生活環境が変化するタイミングが切り替え時期になります
お子さんが大きくなるにつれ長距離の外出やお出かけが増えてくるので、ジュニアシートの快適性はお子さんのドライブ環境に大きく影響します
快適なジュニアシートを選んで、お子さんとのお出かけを楽しみましょう
ジュニアシートはハーネス、ハイバック、ブースターの3種類

ジュニアシートには主に3種類あり、
- ハーネスタイプ…生後15か月~11歳
- ハイバックタイプ…3~11歳
- ブースタータイプ…身長125㎝~11歳
と年齢に応じて適切なジュニアシートは異なります
普段店頭でジュニアシートをお求めの方に切り替えるタイミングを伺うと、
- 新しいお子さんの妊娠がわかり、今のチャイルドシートをお下がりすることになった
- 今使用しているチャイルドシートの対象年齢が終わりに近づいている(主に3歳頃)
- 今使用しているジュニアシートが窮屈そうで、より快適なものに買い替えてあげたい
といった理由が多い印象です
いずれの条件でも、お子さんの年齢によってオススメするジュニアシートが変わってきます
誤った対象年齢のジュニアシートを使用すると、事故や急ブレーキの際にお子さんがジュニアシートから抜け出てしまったり、シートベルトがお子さんの首や腹部を圧迫して重症に陥る可能性があります
次からは切り替えのタイミングごとに購入すべきジュニアシートを解説していきます
15か月~2歳の間に切り替えるならハーネスタイプ

ハーネスの特徴
- 生後15か月または身長76cmから使用可能
- ISOFIXやシートベルトでジュニアシートを車に固定し、ハーネス(肩ベルト)でお子さんを固定
- ハイバックやブースターに切り替えられる3wayモデルを購入すればコスパ◎
もっとも早く使用できるジュニアシートはハーネスタイプで、前向き取付が可能になる生後15か月または身長76cm以降から使用できます
ハーネスタイプはISOFIXやシートベルトでジュニアシートを車に固定し、付属のハーネス(肩ベルト)でお子さんを固定します
生後15か月以降(または身長76cm以上)のお子さんは車の進行方向に対して前向きで乗ることができますが、次に解説するハイバックを使用する場合、1~2歳のお子さんはまだシートベルトの位置が高すぎて正しい取り付けができません
そこで付属のハーネスでチャイルドシートのようにお子さんを固定するハーネスタイプが1~2歳のお子さんには最も適しています
こんな人にオススメ
お子さんの年齢が1~2歳の頃に次のお子さんの妊娠がわかり、今使用しているチャイルドシートをお下がりする予定の方
上のお子さんがまだ1~2歳だからと、新しく新生児~4歳用のチャイルドシートを購入してしまうと、1~2年後に再びジュニアシートを購入する必要があるので出費がかさんでしまいます
こういうケースでハーネスタイプを購入すれば、トータルの購入費用を抑えることができます
ハーネスタイプはお子さんの成長に合わせてハーネスを取り外してハイバックタイプに切り替えられるので、ハイバックタイプを新たに買う必要がありません
さらにブースタータイプにも分解できる3wayの商品もあるので、いずれブースタータイプで使用したいと考えている方は3wayタイプを購入すればコスパよくジュニアシートを使用できます
3歳以降に切り替えるならハイバック

ハイバックの特徴
- 背もたれ付きで側面からの衝撃から保護してくれる
- 寝落ちした際の頭を守ってくれて、シートベルトが首にかからない
- ブースタータイプに切り替えできるタイプはコスパ〇
3歳頃なるとハーネスでの固定が不要になりますが、お子さんの体はまだまだ未発達ですので、背もたれ付きのハイバックタイプを購入しましょう
ハイバックタイプは背もたれが体全体を包んでくれてお子さんを衝撃から守ってくれます
特にチャイルドシートの最新基準であるR129適合商品は側面からの衝撃試験をクリアしており、より安全性が高いです
またヘッドレストが頭部を保護してくれるので、お子さんが寝てしまった際にシートベルトが首にかかるのを防いでくれます
取り付け方はISOFIXで固定するタイプと、座席には固定せずにお子さんが乗る際にシートベルトで固定するタイプがあります
ISOFIXあり→取付の確実性がアップ、お子さんが乗っていない時もジュニアシートがずれない
ISOFIXなし→車に固定しないのでジュニアシートを使用しない際の移動が簡単
といったメリットがあります
ハイバックタイプはISOFIXの有無にかかわらずシートベルトでお子さんを固定しますが、ISOFIXで取り付ければ安全性がより向上します
ISOFIXなしの場合、ジュニアシートを座席の上に置き、お子さんがシートベルトを装着することでジュニアシートも固定されます
ジュニアシート自体を車に固定するわけではないので、使用しないときに簡単に移動できます
お子さんが乗っていない時もシートベルトで車に固定しておくべきですが、忘れてしまうと急ブレーキを踏んだ際にジュニアシートが後部座席の足元に落ちてしまうことがあるので注意しましょう
ハイバックタイプもハーネスタイプと同様、背もたれを外してブースターに切り替えできるタイプとできないタイプがあるので、ブースターでの使用を見込んでいる方は、切り替えが可能か確認したうえで購入しましょう
身長125cm以上で切り替えるならブースター

ブースターの特徴
・座高を上げてシートベルトを正しい位置で使用するのが目的
・コンパクト
・安い
ブースタータイプの主な役割は座高を上げて、シートベルトを正しい位置で使用できるようにすることです
身長125cm以上とは大体小学3~4年生頃で、一人で座ることは全く問題ない年齢です
ただし車のシートベルトは身長140cm以上の人を想定して設計されており、140cm以下のお子さんがそのままシートベルトを使用すると首や腹部を圧迫するリスクがあります
以前の安全基準では身長140cmまでの使用を推奨していましたが、実際に事故が発生した際、身長140cm程度のお子さんがジュニアシートなしでシートベルトを使用するのはまだ危険であることが認識されたため、現在の基準では身長150cmまではジュニアシートの使用が推奨されています
そこで座高を上げるためにブースタタイプのジュニアシートを使用しましょう
こちらもISOFIXで固定するタイプと固定しないタイプがあります
ISOFIXで固定すると、お子さんが乗っている際の安定感が増すだけでなく、お子さんが乗っていない時にジュニアシートがずれてしまうのを防いでくれます
ブースターはコンパクトなので、不要な場合はラゲッジスペースなどへ簡単に移動できます
値段も最も安いので、「あと少し身長が足りないけど、大きなジュニアシートを買い足すのはちょっと…」という方に向いてます
一方簡易的な点はデメリットでもあり、側面からの衝突から保護されません
・使用しているハイバック式が窮屈になってお子さんが乗ってくれない
・ジュニアシートの使用頻度が低く、極力出費を抑えたい方
こんな方に向いているタイプといえます
新基準R129の採用以降、安全面の観点から店頭での取り扱いは減少傾向にあります
ジュニアシートを選ぶ決め手は?値段の違いは何?
店舗やネットでジュニアシートを購入しようとすると、同じような商品でも値段に差がありますよね
ズバリ値段の差は機能の差です
機能が増えるほど、値段が上がると思ってください
では何を見てジュニアシートを選べばいいかを解説します
チェックポイントは、
- 安全性
- 利便性
- クッション性
の3つです
1.安全性
特にネットで購入する場合は「Eマーク付き」の商品を購入しましょう

現在日本ではチャイルドシート先進国ヨーロッパの基準に適合した商品だけが販売できるようになっており、Eマークはその基準を満たしている証拠です
Eマークの内容は以下のとおりです

店頭で販売されている商品や主要メーカーの商品にはすべてEマーク表示がされていますが、ネットで商品を購入する場合は、Eマーク表示について明記されているものを選ぶと安心です
また最新基準R129ではジュニアシートにもISOFIXが搭載されているモデルが増えてきており、その場合は機能が増える分高額になります
ジュニアシートにISOFIX機能が必要かどうか確認したうえで商品を選びましょう
2.利便性
ジュニアシートの利便性とは、「シートが洗濯できるか」がポイントです
ジュニアシートはお子さんが食べものや飲みものをこぼしたり、お漏らしをしてしまうケースも考えられます
その際にシートが簡単に外せて、洗濯機で丸洗いできるとメンテナンスが簡単で楽です
3.クッション性
機能もほぼ同じなのに値段に差がある場合はクッションに違いがある場合があります
特にブースタータイプは他の2つのジュニアシートに比べてシンプルな分クッション性が値段を左右します
一般的に低反発クッションを採用していたり、通気性に優れたクッションを採用していると高額になります
店頭であればお子さんが実際に座ってみて、気に入った商品を選ぶといいでしょう
身長が150cm以下なら大人も着用すべき?
ジュニアシートは身長が150cmを超えた頃が卒業の目安です
日本の平均身長が150cmになるのは小学校6年生ですので、小学生のほとんどの期間はジュニアシートの使用が推奨されていることになります
では大人で身長が150cm以下の大人もジュニアシートを使用すべきなのでしょうか
結論、大人がジュニアシートを使用するのは推奨しません
理由は、ジュニアシートは子どもの体格や体重に合わせて設計されているからです
ただ身長が低い大人の方もそのままシートベルトを使用すると正しい位置での使用が難しいため、以下の対策を検討しましょう
・運転席や助手席の高さ調整機能で調整する
・シートクッションを使用して座高を上げる
・シートベルトキーパーを使用してシートベルトが首にかかるのを防ぐ
正しいジュニアシートで安全なドライブを楽しもう
今回はジュニアシートの種類別特徴について解説しました
ジュニアシートにはハーネスタイプ、ハイバックタイプ、ブースタータイプの3種類があり、チャイルドシートからジュニアシートに切り替えるタイミングで適切なジュニアシートは異なります
小学校高学年や中学生となるとジュニアシートの使用を嫌がるお子さんも出てくると思います
その際は安全面とお子さんの気持ちを考慮して親御さんがいつまでジュニアシートを使用するか判断してあげましょう
最後までご覧いただきありがとうございました。
コメント