チャイルドシートを使用するには正しい知識が必要
チャイルドシートは、車に子どもを乗せるときの必需品です
6歳未満の子どもを車に乗せる際はチャイルドシートの使用が法律で義務化されており、未使用の場合は運転免許証の点数が1点減点されます
またチャイルドシートの使用には正しい知識が必要です
なぜなら誤った使用方法では万一事故に遭った際に、チャイルドシートが適切な効果を発揮できない可能性があるからです
この記事では、ベビー用品専門店で15年以上店長を歴任中の「しょぱ」が、チャイルドシートの基礎知識について解説します
この記事を読めば、
- チャイルドシートを使用する必要性
- チャイルドシート使用の基礎
がわかります
大切な子どもの命を守るチャイルドシート
正しく使用するために、正しい知識を身につけましょう
自動車事故は子どもの主な死因のひとつ
なぜチャイルドシートの使用が義務なのか
それはチャイルドシートが車内で子どもの安全を守る唯一の手段だからです
幼児・児童の「不慮の事故による死因別に見た年齢別死亡数」の5年分のデータでは、1歳から14歳までのどの年齢層でも死因1位は交通事故となっており、自動車事故は依然として日本の子どもの主な死因となっています

出典:チャイルドシート完全ガイド いつまで必要?取り付け方は? | チャイルドシートはなぜ必要なの? | JAF
車を運転する以上、どんなに安全運転に配慮していても事故に遭う可能性はあります
大切な子どもの命を守るためにも、チャイルドシートは必ず使用しましょう
チャイルドシートの使用義務は新生児から何歳まで?
チャイルドシートの使用義務は6歳未満、つまり0~5歳の子どもが対象です
使用していない場合、道路交通法第71条の3第3項の違反により以下の罰則が適用されます
- 1点減点
- 違反金はなし
チャイルドシート未使用でも違反にならないケース
- 怪我や病気で子供を緊急搬送する必要がある場合や、迷子の子供を警察に連れて行く場合
- 身体的問題によってチャイルドシートの使用が難しい場合
- チャイルドシートの使用が子供に悪影響を与える場合
- 運転手以外の人が、チャイルドシートを着けていると子どもの世話をできない場合
- 決められた人数以上が乗車し、チャイルドシートを設置できる場所がない場合(定員オーバーで処罰)
- バスやタクシーなどの公共交通機関を利用する場合
やむを得ない事情を除き、チャイルドシートの使用を徹底しましょう
6歳以上の子どもについても、身長150cmまではジュニアシートの使用が推奨されています
これは、車のシートベルトは大人の体を基準に設計されているため、小さな子どもがチャイルドシートを使用せずにシートベルトを装着した場合、衝突時に子どもを適切に保護できない可能性があるからです
卒業のタイミングを見極めるポイントは、シートベルトが首や腹部にかからないことです
身長150㎝は目安として覚えておきましょう
チャイルドシート未使用時の死亡重症率は2倍以上
事故に遭った際、チャイルドシートの適切な使用は子どもの死亡重症率に大きな影響を与えます
JAFの統計によると、チャイルドシート不使用で事故に遭った場合の死亡重症率は、乳児(0~1歳)の場合約4.2倍、幼児(2~4歳)だと約5倍も上昇するそうです

出典:チャイルドシート完全ガイド いつまで必要?取り付け方は? | チャイルドシートはなぜ必要なの? | JAF
もし事故に遭ってしまったときに、「チャイルドシートを使用していればよかった」と後悔しないよう、子どもを車に乗せる際は必ずチャイルドシートを使用しましょう
後ろ向きでの使用は何歳まで?前向きはいつから?

最新の安全基準「R129]によると、少なくとも生後15か月までは進行方向に対して後ろ向きでチャイルドシートを取り付けなければなりません
理由は、事故や急ブレーキ時の衝撃を分散するためです
前向きの場合、生後15か月以内の赤ちゃんはまだ骨格が未発達で頭が重たいため、事故や急ブレーキの衝撃で頭が大きく前に振られることになり、首や頭に大きな負荷がかかってしまいます
一方後ろ向きでは背中全体で衝撃を受け止められるため、首や頭への負担を軽減する効果があります
研究によると、前向きに比べて後ろ向きは重症のリスクを最大5倍減少させる効果があると言われています
生後15か月以降子どもの体重が10kgを超えた頃を目安に前向き取付へ変更しましょう
チャイルドシートが車に合わない場合がある?事前に適合確認が必要
チャイルドシートを購入する際は、事前に適合確認が必要です
適合確認とは、自分の車に購入を検討しているチャイルドシートが取付できるかを確認する作業です
車には様々な車種、年式、グレードがあり、それぞれシートの形状やシートベルトの長さが異なります
そのため車種や年式によっては購入希望のチャイルドシートが取付できない可能性があります
「時間をかけて決めた商品が取付できなかった…」とならないように、少しでも気になる商品があれば、本格的に検討する前に適合確認をオススメします
適合確認をするためには車検証が必要ですので事前に準備しておきましょう
特に複数の車でチャイルドシートを共用する予定の方は、すべての車の車検証を準備しておくとスムーズに確認できます
確認方法は、
- メーカーのホームページで確認
- 店頭で確認
の2種類があります
メーカーのホームページで確認する場合
「メーカー名 適合確認」で検索し、メーカー、車種、年式を選択すると座席に応じて取付できる、できないが表示されます

車の中でも座席によって取付の可否は異なりますので注意しましょう
店頭で確認する場合
店頭で商品購入を検討している場合、店員さんに適合確認をお願いすることもできます
店頭にない商品は確認できない場合もありますので、そのお店で取り扱いのない商品と比較したい場合は、ホームページでの確認と併用しましょう
チャイルドシートからジュニアシートに変更するのはいつ?
チャイルドシートには、使用できる月齢に応じて7つの種類があります
・ベビーシート(0~1歳)
・ベビー&チャイルドシート(0~4歳)
・ベビー&チャイルド&ジュニアシート(0~11歳)
・チャイルドシート(1~4歳)
・チャイルド&ジュニアシート(1~11歳)
・ジュニアシート(ハイバッック)(3~11歳)
・ジュニアシート(ブースター)(7~11歳)
6歳まで使用する場合、多くの場合チャイルドシートからジュニアシートへの買い替えが必要です
買い替えのタイミングに決まりはありませんが、
・ジュニアシートが使用できる3歳頃に買い替え
・兄弟が増えたので、下の子に今のチャイルドシートをお下がり、上の子にチャイルド&ジュニアシートを買い替え
というお客様が多いです
子どもの月齢や家族構成の変化に応じて買い替えを検討しましょう
正しい使用方法で安全なドライブを楽しもう
今回はチャイルドシートに関する基礎知識を解説しました
チャイルドシートは6歳未満は法律で使用が義務化されており、事故や急ブレーキ時の衝撃から子どもを保護してくれる役割を担ってくれます
未使用の場合、死亡重症のリスクは約4倍上昇します
万一事故に遭った際に後悔しないよう、必ず子どもを乗せる際はチャイルドシートを使用しましょう
少なくとも生後15か月までは、進行方向に対して後ろ向きで取り付けることで頭や首にかかる衝撃を分散してくれる効果があります
チャイルドシートを購入する前には適合確認を忘れずに行いましょう
どんなに気を配っていても運転する以上事故のリスクは0にはなりませんが、正しい知識でチャイルドシートを使用できていれば、少し安心して運転できると思います
チャイルドシートを使用して、子どもとのドライブや買い物を楽しみましょう
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