ISOFIXがすべての人に向いているわけではない
チャイルドシート購入を検討していると目にする「ISOFIX(アイソフィックス)」
「安全性が高い」とか、「確実な取り付けで安心」と聞くけど、値段も高いので、シートベルト式のものとどちらを買おうか迷いますよね?
確かに安全性は高く、安心感もありますが、すべての方がISOFIXのチャイルドシート使用に適しているわけではありません
今回の記事ではベビー用品専門店で15年以上店長を歴任中の「しょぱ」が、ISOFIXのチャイルドシート購入に向いている人、向いていない人を解説します
また実際の取り付け方・外し方も画像付きで解説します
この記事を読むことで、
・ISOFIXとシートベルト固定式のどちらが自分に合っているのか
・ISOFIXの取り付け方・外し方
がわかります
結論、基本的には取り付けの確実性・安全性の観点からISOFIXのチャイルドシート購入をオススメします
チャイルドシートはベビー用品の中でも高額な買い物ですので、後悔しないよう自分に合ったチャイルドシートを選びましょう
ISOFIXとはチャイルドシート固定機能の名前

ISOFIX(アイソフィックス)とは、自動車の座席にチャイルドシートを固定する方式の国際標準規格です
車に搭載された金具を使用してチャイルドシートを固定するので、従来のシートベルトでの固定と比べて確実な取り付けが期待できます
ISOFIXは2012年7月以降の製造された車に標準搭載されています
またチャイルドシートの安全基準が2023年9月1日より改訂され、今後のチャイルドシートは原則ISOFIX固定で製造されます
あなたはISOFIXに向いている人、向かない人?

今後はISOFIXでの取り付けが原則ですが、旧基準モデルや新基準でも一部チャイルドシート式のチャイルドシートはあります。
ここではISOFIX取り付けに向いている人、向いていない人を解説します
ISOFIXが向いている人
・確実に取り付けたい人
・車に乗る頻度が高い、移動距離が長い人
・一度設置したらずっと同じ車で使用する予定の人
確実に取り付けたい人
ISOFIX最大のメリットは「取り付けの確実性」です
なぜならISOFIXはシートベルト式固定の難しさを解消するために誕生したからです
従来のシートベルト式固定では取り付け方に個人差が出てしまい、警視庁の統計によると、使用している方の約30%が誤った取り付け方“ミスユース”で取り付けているそうです
以前は店舗でも、「チャイルドシートを買ったけど取り付けできない」「取り付けてみたけど正しくできているか確認してほしい」という要望をよくいただきました
そこで誕生したのがISOFIX
車体にチャイルドシートを固定する専用金具を搭載し、チャイルドシートを固定することで誰でも確実な取り付けが可能になりました
どんなに高価なチャイルドシートを購入しても、正しく取り付けできていなければ効果はありません
「確実に取り付けて安心して使用したい」、「シートベルト固定に自信がない」方はISOFIX対応のチャイルドシート購入をオススメします
車の使用頻度が高い、長距離移動が多い人
地域や生活環境によって車の使用頻度が高い方や、長距離移動が多い方にもISOFIXをオススメします
それは、
・回転式で乗せ下ろしが楽
・子どもの身体的負担を軽減できる
ためです
・回転式で乗せ下ろしが楽
主に0~4歳で使用できるISOFIXのベビー&チャイルドシートはシートを回転でき、ママさん、パパさんが正面を向いて乗せ下ろしができるので、シートベルト式と比べて乗せ下ろしが圧倒的に楽です
一方シートベルト式はチャイルドシートが固定されているので、ママさん、パパさんが体勢をチャイルドシートに合わせて乗せなければなりません
少しの買い物や移動にも車を利用する方は乗せ下ろしの頻度も増えるため、負担を軽減するためにもISOFIXをオススメします
※ここでは回転式=ISOFIXとして説明していますが、2023年9月以前に製造されたベビー&チャイルドシートにはシートベルトで固定できる回転式もあります
・子どもの身体的負担の軽減
チャイルドシートは無理のない体勢で乗れるように設計されていますが、それでも長時間の移動は子どもの体に負担がかかります
ISOFIXのチャイルドシートの方が高額な分、一般的に使われているクッションの厚みや衝撃吸収性が高いため、子どもの負担を軽減してくれます
また走行距離が長い=事故発生の可能性も高くなるため、万一の際に子どもを守れるよう確実な取り付けが期待できるISOFIXをオススメします
一度取り付けたらずっと同じに車で使用する予定の人
ISOFIXの回転式はシートを回転させることで、後ろ向きと前向きを変更できるため、一度取り付けてしまえば、基本的に取り外す必要はありません
一方シートベルト固定式は、生後15か月以降に後ろ向きで取り付けたチャイルドシートを一旦取り外し、前向きに付け替える必要があります
できるだけ取り付けを一度で済ませたい方はISOFIXが簡単で一度で済むのでおススメです
ISOFIXが向かない人
・車がISOFIX非対応の人
・出費を抑えたい人
・2台以上で共用する予定で、主に乗せ換えを女性が行う場合
車がISOFIX非対応の人
ISOFIXが装備されていない車では使用できません
ISOFIXは2012年7月以降に製造された車に標準装備されているため、それ以前に製造された車には装備されていない場合があります
中にはISOFIXを搭載している車もありますが、現行のISOFIXの基準を満たしていない場合があるため、必ず事前に自分の車に希望のチャイルドシートが取り付けできるか確認しましょう
主要メーカーの適合確認はこちらにまとめてます
コンビ:コンビチャイルドシート取付確認車種リスト | ベビー用品の通販 | コンビ公式ブランドストア
アップリカ:取付可能車種確認 | ベビーカー・チャイルドシートのアップリカ | Aprica
joie:チャイルドシート適合車種の確認|カトージの商品をご愛用の方へ
サイベックス:サイベックス 車種別適合表 COMPATIBLE CARS 2025年3月版
ピジョン:チャイルドシート取付け可能車種 | お客様サポート | ピジョン株式会社
ISOFIX非対応の場合はシートベルト固定式のチャイルドシートを購入しましょう
出費を抑えたい人
チャイルドシートは機能が充実するほど値段が上がるため、シートベルト式のチャイルドシートに比べて、ISOFIXのチャイルドシートは高額です
相場を比較すると、
- シートベルト式 1~3万円程度
- ISOFIX 3~8万円程度
と金額に差があります。
できるだけ出費を抑えたい方にとってはネックになりますが、チャイルドシートは子どもの命を守るものですので、安く済ませるためだけに安価な商品を購入するのはおススメしません。
それでも出費を抑えたい方は、最新の安全基準R129を満たしたシートベルト式チャイルドシートを購入しましょう
2台以上で共用する予定で、主に乗せ換えを女性が行う場合
ISOFIXのチャイルドシートはシートベルト式と比べて重たいため、2台以上で共用予定の方は注意が必要です
チャイルドシートの重量は、
- シートベルト式 5~7kg
- ISOFIX 10~13kg
と大きな差があります
子どもの体重は1歳頃で10kg程度になりますが、チャイルドシートはサイズが大きいため、子どもを抱える以上に持ち運びは大変です
女性や年配の方が頻繁に乗せ換えを行う場合は負担が大きいかもしれないので、店頭でサイズや重量を一度確認してみましょう
以前お客様から、「高額なチャイルドシートを奮発して1台購入して車2台で共用しようと計画したものの、いざ使用してみると重すぎて結局もう1台チャイルドシートを買い足すことになった…」というお話を伺ったことがあります
また、車種にもよりますが、軽自動車など車内が狭い車はチャイルドシートの取り付け・取り外しが窮屈な場合がありますので、どの程度の頻度でどのような車に付け替えるのかは事前にしっかりシュミレーションしておくことをオススメします
出費は増えますが、チャイルドシートを2台購入して付け替えの手間をなくした方が、生活の満足度が上がる可能性もあると思います
ISOFIXにはサポートレッグ式とトップテザー式の2種類がある
ISOFIXの取り付け方には、ISOFIXのコネクタ接続に加えて、2種類の取り付け方があります
- サポートレッグ 主に新生児~4歳用
- トップテザー 主に1~11歳
サポートレッグ

サポートレッグを足元に固定する取り付け方で、
主に重量のある新生児から用ベビー&チャイルドシートに搭載されています
トップテザー

チャイルドシートに付属しているテザーベルト(シートベルトのようなもの)を座席の背もたれ後方にひっかけて固定する取り付け方で、主に1歳以降から使用できるチャイルド&ジュニアシート、ジュニアシートに搭載されています
ISOFIXの取り付け方(サポートレッグ)
ISOFIXバーの位置確認
まずは後部座席の背もたれの腰元にあるISOXFIXバーの位置を確認しましょう

出典:ISOFIX(アイソフィックス)とは | 日本製チャイルドシート エールベベ AILEBEBE 公式サイト
ガイドキャップの設置

付属のガイドキャップをISOFIXバーに向けて差し込みます
ガイドキャップは商品によっては付いていない場合があります
サポートレッグを引き出す

チャイルドシート本体の底からサポートレッグを引き出します
サポートレッグを引き出さずにISOFIXを固定してしまうと再取り付けになってしまうので注意しましょう
ISOFIXコネクタを引き出す

コネクタを引き出し車に装着する準備をします
コネクタはつまみを押しながら左右に引き出せます
コネクタの引き出しが中途半端だとISOFIXがうまく固定できないので、確実に引き出しましょう
コネクタをISOFIXバーに装着

チャイルドシートを座席に置いて、コネクタをガイドキャプの中に差し込みます
ガイドキャップがない場合は、ISOFIXバーのある位置にコネクタを差し込みます
「ガガガガ」と音が鳴ってコネクタとISOFIXバーが固定されます
正しく取付できているとケージの色が赤→緑になります
左右のケージがいずれも緑になっているか確認しましょう
サポートレッグを固定

サポートレッグが床に隙間なく設置されるよう高さを調整しましょう
これで取り付けは完了です
ISOFIXの取り付け方(トップテザー)
ISOFIXバーの位置確認

まずは後部座席の背もたれの腰元にあるISOXFIXバーの位置を確認しましょう
ガイドキャプの設置

付属のガイドキャップをISOFIXバーに向けて差し込みます
ガイドキャップは商品によっては付いていない場合があります
テザーベルトを確認し、背もたれ後方に仮置き

チャイルドシートを座席に置き、テザーベルトを長めに伸ばして一旦背もたれに掛けておきます
この時点ではまだテザーベルトの固定は不要です
ISOFIXコネクタを引き出す

コネクタを引き出し車に装着する準備をします
コネクタはつまみを押しながら左右に引き出せるので、左右ともに引き出します
コネクタの引き出しが中途半端だとISOFIXがうまく固定できないので、確実に引き出しましょう
コネクタをISOFIXバーに装着

チャイルドシートを座席に置いて、コネクタをガイドキャプの中に差し込みます
ガイドキャップがない場合は、ISOFIXバーのある位置にコネクタを差し込みます
「ガガガガ」と音が鳴ってコネクタとISOFIXバーが固定されます
正しく取付できるとケージの色が赤→緑に変わります
左右のケージがいずれも緑に変わっているか確認しましょう
テザーベルトを固定

背もたれ後の固定金具にテザーベルトを取り付けます
ゆるみが出ないようテザーベルトの長さを調整しましょう
これで取り付けは完了です
ISOFIXの取り外し方
1.サポートレッグやトップテザーをゆるめます
2.コネクタをISOFIXバーから引き出します
コネクタのつまみを押しながら左右にコネクタを引いてISOFIXバーとの接続を解除します
自分に合ったチャイルドシートを選んで快適に暮らそう
今回はチャイルドシートのISOFIXについて解説しました
ISOFIXは従来のシートベルト固定と比較して誰でも確実な取り付けが可能となり、安心して使用できるため、ISOFIX搭載のチャイルドシート購入をオススメします
一方ですべての人にISOFIXが向いているわけではありません
自分がISOFIXのチャイルドシートに向いているのか、向いているのかを正しく認識することで、自分に合ったチャイルドシートを選びましょう
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